永平寺では、2015年度より、森ビルと大本山永平寺、福井県、永平寺町による「永平寺門前再構築プロジェクト」が進められています。
福井県、永平寺町、大本山永平寺が推進する「永平寺門前の再構築プロジェクト」を総合的に支援 | ニュースリリース|プレスルーム|森ビル株式会社 - MORI Building
先日久しぶりに永平寺に出かけたところ、永平寺の門前町で大規模に再整備が行われていたのでレポートします。
プロジェクトの概要(永平寺建物内に展示されていたものを撮影)
大きく、門前宿泊施設(柏樹関)、永平寺川護岸修景、参道整備工事(1600年代の古地図に基づく旧参道の整備)、そして観光案内所の整備の4つの事業からなり、今月(2019年6月)完成を予定しています。
完成模型(永平寺建物内に展示されていたもの)
宿泊施設『柏樹関(はくじゅかん)』完成イメージ(出典:永平寺HP)
https://daihonzan-eiheiji.com/zensato1.html
ちなみに整備前(平成25年撮影)の様子はこの通り。
土産物屋が並ぶ通りではなく、1本裏に入った通りがいわゆる旧参道だった場所とのこと。
宿泊施設が建てられる場所は、かつて「柏樹庵(はくじゅあん)」と呼ばれる建物があり、かつては尼僧の宿泊場所、現在では参拝客を対象とした写経を行う施設として使用されていたとのこと。
これが現在の様子。(5月と6月の2回撮影しています)
工事はほぼ完成していた。
かつてはコンクリート三面張だったと思われる永平寺川も、石積護岸による修景が行われた。
新しく建てられる宿泊施設の名称は、「柏樹庵(はくじゅあん)」ではなく「柏樹関(はくじゅかん)」とのこと。宿泊施設は永平寺が整備し、完成後藤田観光が運営する。
よくわからないけど、旅館としてのサービスと、禅体験が両方受けられる施設という理解で良いのだろうか?
福井県にはハイグレードな宿泊施設が少ないため、このような施設ができることは非常に喜ばしいことではあるが、曹洞宗大本山永平寺が直接関与しているというのがどう形容して良いのか・・いわゆる宿坊とは全然違うからねえ。
あと写真ではわかりにくいかもしれないが、結構大きな施設である。
参道と施設を結ぶ橋も完成している。なお宿泊施設の開業は7月下旬とのこと。
参道は無電柱化されたが、この地上機器はなんとかならなかったのか(苦笑)。普通であれば目立たない場所に集約して配置するものだが、これはがっかりだなあ。
なお旧参道から入口に直接入れるよう現在入口部分を工事している。
また、旧参道入口部分には、昨年(平成30年)観光案内所が完成した。
観光案内所外観
中は無人だが、コインロッカーやトイレ、外貨両替対応のATMが設置されている。
観光案内は、主に音声認識(多言語対応)のデジタルサイネージ(AI)を用いて行われている。小梅ちゃんというらしい。
個人的にはかなり違和感があるのだが、インバウンド対応のスタッフを雇う人件費が惜しいということか?そういう時代なのかなあ。
なおプロジェクト自体は旧参道を中心とした再整備となっているが、まちなかの中心部にあった土産物屋2軒が解体撤去されて駐車場になっていたのには驚いた。
解体前(平成25年)の様子。
かつては永平寺に向かう通り(国道364号)の左側と中央に大きなレストラン(土産物屋)があった。
反対側から見た写真
これが現在の様子。
建物は解体され駐車場となっていた。
どうやら事業主体は永平寺とのことで、永平寺が主導して建物を解体撤去したと思われる。
もう1軒の土産物屋も絶賛取り壊し中だった。
永平寺は山間にある寺院のため、以前より駐車場が不足していたことへの対応だと思うが、さすがにさっぱりしすぎのような気がするのだが、大丈夫だろうか・・
個人的に見た感想としては、まちづくりへの期待よりも一抹の不安を感じるのだが、杞憂に終わると良いのだが・・