明石市長の暴言の件が大きく取り上げられているが、記事の内容を読めば読むほどこちらも興奮してくるというか、なんともやるせない気分になりますね。関西に住んでいたこともあり、関西人のきつい物言いもあまり気にならないし、何より記事にあげられている文章を読んでみると、「火をつけろ」というのはあくまで比喩表現であり、それくらいの気持ちで交渉に臨めといっている訳なので、全く暴言には当たらないと個人的には思っている。それでも、今日現在の時点でもあの言葉尻だけを取り上げてあの暴言はだめ、といっている人が一定数いることに驚いている。そういうものなのか、文化の違いなのか。結局市長は辞任することになったが、他人に厳しく自分に甘いようでは上に立つものとしてはふさわしくないと判断したのだろう。残念ではあるが仕方ないと思う。
個人的には明石という町は思い出のある町である。大学を卒業して3年ほど大阪、神戸で仕事をしたが、仕事の関係で淡路島に行くこともあり、その際は明石から岩屋までフェリ-に乗って出かけていた。(明石海峡大橋開通前だった)明石駅からフェリー乗り場の間に明石焼きのお店があり、帰りにビールを飲みながら明石焼きを食べたのがとても印象に残っている。
明石駅前の様子(昨年撮影)
明石駅は、JRと山陽電車(神戸から姫路を結ぶ私鉄)の接続駅となっており、JR新快速や山陽電車の特急駅となるなど交通結節点となっている場所である。
明石駅前は、北側(山側)に明石公園、南側が商店街となっていて、駅から歩いて数分のところに淡路島行き船乗り場があるといった具合に、徒歩圏内にいろんな機能がコンパクトに集まっているのが特徴である。
駅の南側には、再開発事業に伴うタワーマンションなども建設されている。(2017年完成)
はっきり言って、福井よりも全然都会だったりする(苦笑)
再開発ビルのエスカレーターに乗ると、
国道2号を挟んで市民の台所というべき魚の棚商店街に抜けるデッキがつながっている。
なおこの道路の奥が、問題の拡幅場所だったりする。
市民の台所というべき、魚の棚(うおんたな)商店街。金沢の近江町市場のような場所。
関西だと京都の錦市場や大阪の黒門市場があるが、明石の場合は特にたこや鯛、穴子など海の幸が豊富で所狭しと並べられている。
当然、明石焼(地元では玉子焼ともいう)のお店もいくつかあり、あつあつとろとろの明石焼をだしにつけていただく。ビールが合うんだよね。
魚の棚から歩いて4~5分のところに、岩屋行き高速船(ジェノバライン)の乗り場がある。
港のようす。神戸とは違ってローカル感があふれているのが逆に明石らしくてよい。
さて、問題の拡幅の場所だが、明石駅前交差点の南東側(神戸方面)の角地が対象とのこと。
出典:近畿地方整備局兵庫国道事務所、明石市
2車線の道路を4車線道路に接続する際の車線を確保する目的で拡幅するようです。
この写真は2010年(9年前)に撮影。手前が4車線で交差点から奥が2車線となっている。
写真の手前が姫路方面、奥が神戸方面。
地元の人間でないのでよくわからないが、奥の2車線の進行方向が姫路方面ではなく、神戸方面であれば、左側2車線の車がそのまま直進すればよいので、拡幅する必要もないような気がするのだが、それはできなかったということか。
交差点付近の写真(1年前に撮影)。
新聞記事などによると、明石銀座アーケードの左側の建物が最後に残った1軒とのこと。
用地交渉については全く素人だが、話を聞く限りでは、結構大変とは聞いている。というのも、立ち退きの対象の人は、少しでも多くのお金が欲しいわけで、人によってはごねたり、金額交渉のための様々な工作を行うみたいですよ。よくある話として、補償算定の前にわざわざ建物を改修して評価額をつり上げるような猛者もいるそうです。こういう人はえてして「怖い」人だったりするので、学校の成績がよくてその流れで公務員になったようないい子ちゃんではなかなか交渉が進まないのも仕方がないかもしれない。知り合いの公務員の人に聞いた話では、それこそ明石市長の「火つけるぞ」とは比較にならないような恫喝行為もあるとのこと。
ここの地権者についてはどうだったかは知るよしもないが、市長の発言を聞いて「パワハラだ」と感じる人にはこの手の交渉は務まらないと思うので、市長もそうだし担当職員もそうだが、話を聞けば聞くほどやるせない気持ちになるのである。