ROKUZAEMONの諸行無常

田舎でひっそりと暮らしています

植治の庭探訪(4)平安神宮神苑-栖鳳池から泰平閣の絶景を愉しむ-

筆者は学生時代4年間京都にいたが、京都にいる学生の大半はそうだと思うが、京都のお寺やお庭はほとんど行かなかったねえ。一番よく行ったお庭が淀のお庭(京都競馬場)というのがなんとも・・。仁和寺の近くに住んでいたから仁和寺はよく散歩に行ったが、境内の横にある広場でキャッチボールしていたからねえ。

あと、筆者の学生時代はデジカメなるものがなかったのが今と一番違うところで、一眼レフは持っていたけど、何せフィルム代、現像代が高くてあまり写真を撮らなかった。あの頃にデジカメがあればもっと違う学生生活を送っていたと思う(写真を撮りまくっていただろうなあ)。

本題に入るが、植治の庭シリーズ第4弾、写真は平安神宮神苑である。8年前に無鄰菴のブログをあげたが、無鄰菴を見に行った同じ日に平安神宮を訪れている。無鄰菴の次は平安神宮を紹介したいと思っていたが、 8年越しでようやくブログにあげることができました(苦笑)。

平安神宮については以下HPを引用。

1895年(明治28年)、平安京遷都1100年を記念し、遷都のおや神様である第50代桓武天皇をご祭神として創建された平安神宮。皇紀2600年にあたる1940年(昭和15年)には、平安京で過ごした最後の天皇である第121代孝明天皇が祭神に加えられ、日本文化のおや神様として広く崇敬を集めることとなりました。

ご社殿は、桓武天皇が開かれた当時の平安京の正庁、朝堂院が8分の5の規模で再現されたもの。大極殿(だいごくでん・外拝殿)・応天門(おうてんもん・神門)・蒼龍楼(そうりゅうろう)・白虎楼(びゃっころう)・歩廊・龍尾壇(りゅうびだん)などは1895年(明治28年)のご創建当時に造営されたものを修理、再建し、現在のような壮麗なご社頭がご覧いただけます。
2010年12月、大極殿など6棟が国の重要文化財に指定され、24.4mの高さがある参道の大鳥居も、国の登録有形文化財に登録されています。

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應天門

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 正面の建物が大極殿、写真左が白虎楼、右が蒼龍楼。 

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出典:平安神宮HP

https://www.heianjingu.com/party/program/

平安神宮神苑は、白虎楼側から入って、建物の周囲を回るようにして右側(神楽殿)側から出る。一方通行の順路となっている。敷地は約10,000坪あり、歩く距離もそこそこあるため、じっくりお庭を観賞しながらだと1時間近くかかると思う。

神苑は、大きく4つのエリアに分かれていて、順路でいうと南神苑、西神苑、中神苑、東神苑の順となる。最初に結論めいたことをいうと、お庭の感動度でいえば最後の東神苑が一番で、最初の南神苑はそこまででも・・というのが個人的な感想である。

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南神苑のようす。イメージ図をみると、桜を中心に花の咲く木が多く植わっているようなので、春に観賞するのが良いかもしれない。

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園内の片隅に市電が安置されていた。

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南神苑には藤棚がいくつかかかっていたため、5月頃が一番見頃かもしれない。

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西神苑は菖蒲と蓮の池を中心としたエリアとなっている。

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西神殿と中神苑の間(本殿の裏)はこんな感じ。少しうっそうとした雰囲気のところを通るが、通路に沿ってせせらぎを設けて景色を楽しむよう工夫されている。

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島を渡る飛石(臥竜橋)

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中神苑は西神苑と同じく蓮池を中心としたエリアであるが、池も大きく、中に島も設けてあり、島を渡る飛石なども配されていることから、西神苑よりもいろんな景色を楽しむことができる。

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平安神宮神苑の一番の見所は東神苑。蓮池のあった西神苑、中神苑は1895年(明治28年)造営だが、東神苑は1916年(大正5年)と20年後に造営したとのこと。

東神苑のシンボルと言えば池を東西にまたぐ2階建ての木橋(泰平閣)。もともと仙洞御所にかけられていた橋(当時京都御所で開かれていた博覧会で使用したもの)をこちらに移築したとのこと。

神苑全体の中で東神苑が一番すばらしいと思うのだが、作庭が他の苑地より遅く、植治が一番脂がのっていた頃に造営したというのが庭に現れているのかもしれない。

それにしても楼閣の上に据えられた鳳凰がものすごい存在感を出している。加えて左右に植えられているクロマツが非常に良い雰囲気を作り出している。特に右側のクロマツの枝振りが素晴らしい。

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泰平閣を正面から見た様子。仮設とはいえ御所に作られた木橋を移築したということで、品格あふれた荘厳な造りとなっている。

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これは座ってお庭を観賞できるようにするために作られたのだろうか。

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個人的には屋根裏(軒裏?)にある装飾(雲?)に目が行った。建築は詳しくないが、飛騨古川の町家建築には、軒下にこのような雲と呼ばれる装飾を施すものが多い。

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橋の上から眺める庭の景色も素晴らしい。池は大きく、東山の借景も望むことができる。

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池の中の鴨がほどよいアクセントに

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泰平閣を見た後で宇治の平等院鳳凰堂も見に行ったが、鳳凰の存在感に関しては泰平閣の方が圧倒的に上回っているような気がしたのは自分だけだろうか。

まあ、ただの感想になってしまったが、この泰平閣を見るだけでも十分価値はあると思う。あと、どの庭でもそうだが、あまり人が居るときに行くと魅力が半減するので、誰も居ない時期・時間を見計らって見に行くと風景を独り占めできる感動を味わえると思います。