昨日は早起きして、朝5時に目が覚めたのだが、その直後にゆらゆらと揺れを感じた。阪神淡路大震災のときは大阪に住んでいたが、そのときから揺れには敏感な体になっている。揺れの具合から、これは遠くで大きな地震がきているのではないかと直感したが、そのとおりであった。地震に遭われた方、心よりお見舞い申し上げます。
古い町並みの奥にそびえる高層ビル
これは、4年前に訪れた紹興(中国)のまちなみである。筆者は過去3回海外に出かけているが、うち2回が中国、1回がケアンズで、海外といいながらあまり時差のないところにしか行ったことがない。初めての中国旅行は大学生のときで、ちょうと天安門事件がおきて半年後のことであった。今回15年ぶりに中国に行き、杭州に1週間滞在したのだが、日本語をしゃべれる人にまったく出会うことがなく(ということは言葉も通じず)、ちょっとだけ大変であった。でも中国のよいところは、なんだかんだ言いながら筆談が可能なので、外国語が苦手な方には向いているかもしれない。
紹興の街は、杭州からバスで1時間の場所で、杭州から片道10元から20元くらいの料金で行くことができたように記憶している。急激な経済発展の影響で、さぞかし物価が高くなっているのではと不安であったが、食事や公共交通は相変わらず安い料金で、お金のない人(旅人)にはやさしい国である。
紹興は水郷の町である。先に紹介した高層ビルに代表されるとおり、中国は経済発展が著しく、上海などは日々街の風景が変貌している状況であるが、上海近郊をはじめとする江南の水郷地帯には、水郷古鎮(中国語で鎮とはtownの意味に近いような気がする)が多く残っている。行くことができなかったが、烏鎮、周荘、朱家角など、古い町並みと運河が張り巡らされている風景が大都市のすぐ真近で見ることができる点は、まだまだ中国には歴史的なポテンシャルが残っていると感じる。開発一辺倒の国に思われがちだが、歴史的景観や、風景の創出に関しては、見習う点が多いと感じている。
現在ではもっぱら観光目的なのだろうが、移動手段としての船は中国では健在である。
紹興は、紹興酒の産地としても知られるが、作家魯迅の生誕地としても知られる。周恩来の出生地でもあるそうだ。
古い町並みの中心に位置する「八字橋」
八字橋の上から見た風景
黒瓦の屋根並と、奥に見える教会が妙にマッチしている
白い壁で町並みが統一されている。中国では多い風景のようだ。
日本の町並みと似ているようで、多少エスニックな雰囲気も感じる点が魅力的である。
通りの奥に寺院の塔
杭州の街もそうであるが、アイポイントとなるところにランドマークとなる建築物(構造物)を置くことで、景観を引き立たせるのがうまい。この通りに関しては、ビスタの効果もあいまってとても印象的な光景となっている。良い意味で風水思想を忠実にまちづくりに反映しているのかもしれない。
紹興はまだ観光地ずれしていない点、生活の息吹を感じる点がとても魅力的であった。しかし、4年たって多少変わったかもしれない。10年後、20年後にこの魅力が残されているかどうかが中国として問われるところであろう。
半日程度の滞在だったが、忘れることのできない風景である。