ROKUZAEMONの諸行無常

田舎でひっそりと暮らしています

長命寺の石段と伽藍

昨日は滋賀方面にドライブ。北陸に住んでいると、どうしても冬場体を動かさなくなるのだが、かといって、ジムに通うのも個人的には興味がないので、今年からは冬場はちょくちょく雪のない太平洋側に行こうと思っている。 

滋賀方面は、それほど遠くないので時々行くといえば行くのだが、彦根以西はあまり知らなかったりする。ということで、久しぶりに近江八幡に行くことにした。

八日市ICから近江八幡市外に向かう途中、道路標識に「長命寺」なる文字を発見。

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琵琶湖の湖畔に入口がある。

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手前にひなびた土産物屋があり、その奥に突然石段が現れた。

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何の予備知識もなくこの寺に来たのだが、いきなりこの808段の石段には驚いた。なかなかやるじゃないか。しかも、この「左側通行」っていいね。

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808段だけあり、一点透視法では点になりそうなくらい先まで階段が続いている。

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この門は、地上界と天上界を分けるため、いわゆる結界を表しているようである。

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まだ半分も登っていないが、門の横には待合があり、早速休憩。下界の人間は体力がないからのー。

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ここからがもっとすごい石段。なかなか壮観である。

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雨にぬれる石段。

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実は、700段くらい上がったところまで、駐車場があったみたいで、手前に休憩所もあった。しかし、冬のこの時期に汗だくになるとは思わなかったのー。休憩所で一服するが、汗で湯気がもうもうと・・

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駐車場からさらに100段近く上がったところに、手水があった。水がうまいこと。ごきゅごきゅ、ぷはー。

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一番上に本堂はある。ここから見る限り、戸隠に登った時を思い出すのー。

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石段を登り終えて目の前に現れた三重塔。これはちょっと感動した。

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その横にある護摩堂。

全国幾多と仏閣あれど、パッと見「かっこいい!」と思ったのは久しぶりよのー。何がいいって、この建物の色がいい。

一番目立つのが壁面の色。ベンガラなのだろうが、いわゆる朱色ではない、どちらかというと、柿渋の色に近い。祇園などの花街の持つ華やかさと、色が渋めで落ち着いた感じ、品の良さを感じるのは筆者だけではないはず。屋根が杮葺(檜皮葺)なのも、渋みを増していい感じである。

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本堂は堂々としていて、これはこれでよい。

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本堂横の拝殿を含めて、お寺全体びっくりするくらいに美しい。拝殿の何というのかわからないが、屋根の妻となっている側壁の部分の装飾が非常に素晴らしい。配置から装飾まで、これだけ美的センスに優れたお寺は久しぶりに見た。少なくとも、金ピカすぎる金閣寺よりはこのお寺のほうがええのー。仁和寺をダンディにした感じ?

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鐘楼の入口が開いており、中の様子がうかがえたのも非常にうれしかった。得をした気分よのー。

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羽咋にある妙成寺の場合、木が大きくなりすぎて五重塔が近くから見難くなっているのが景観形成上問題だと個人的には思っているのだが、ここの三重塔は、そういう意味ではランドマークとして非常によく計算されており、正面からしっかり見ることができて、見た人は十分満足されるのではないだろうか。

いやー。このお寺は天気の良い日にもう1回来たいのー。違いの分かる大人向けの観光地だが、808段の石段を含めると、遠足にももってこいかもしれない。

あと余談だが、石段の入口近くにあるひなびた土産物屋で食べた肉うどんは、運動しておなかがすいたこともあるかもしれないが、近江牛を用いていることもあり、思った以上に美味でした。