ROKUZAEMONの諸行無常

田舎でひっそりと暮らしています

丸岡城

明日から出勤だ。かなりブルーであるが仕方がない。ちなみに両親は来週から北海道に旅行だそうだ。しかし話を聞くと北海道旅行はお金がかかるようだ。3泊4日でツアー料金が2人で21万円もするという。これに加えて昼食代、お土産代がつくわけだから、金額だけでいえばかなり贅沢な旅である。韓国や中国のほうが安いのではないか。そう思うと、高速道路無料化などの施策は、恒久的に考えれば批判も多いが、たまにであれば良い施策なのかもしれない。(国民に旅行クーポンのようなものを配って、年2回位は格安料金で国内を移動できるようにするとよいのかもしれない)

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写真はお盆ではなくGW期間に撮影した丸岡城である。このお城は、日本最古の天守閣であり、かつて国宝であったが、戦後まもなく福井大地震により崩落し、その後元の部材を用いて再建されたが、重要文化財に格下げ(?)されてしまった。福井県内で国宝建造物は、小浜の明通寺のみである。国宝と重要文化財は、似ているようでまったく異なるものである。仮に国宝であれば丸岡の町はもっと異なる発展を遂げたであろうと思う。天災とはいえ残念である(逆に、天守閣の小ささにびっくりする人も現れるかも、えっ、これが国宝、みたいな)。

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丸岡城に隣接して日本庭園がある。個人的には日本庭園や和風の修景は好きなのであるが、実際作庭しようとなるとかなり難しい。特に池や流れを取り入れようとすると、造園家(施工者)の力量がもろに出てしまう世界である。

上の写真は州浜である。州浜とは、人工的に玉石や豆砂利などで海岸線を表現したものである。入り江の部分と、奥の石組の部分の配置(バランス)が難しい。静の部分と動の部分をどう表現するか。

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池(流れ)の修景も難しい。石組だけでは面白くないというか、潅木(キャラボク)をあしらって風景に変化をつけている。

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日本庭園は曲線の世界というか、アンシンメトリー(非対称)の部分で、トータルデザインを考えないといけない。手前のもみじ(ノムラモミジ?)はこれでもか、という感じで曲がりくねっている。 

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水際の修景がまあまあよかっただけに、この園路は残念である。もっと滑らかな曲線を描くように設置しないといけないのだが、そうなっていない。もっともこれは施工側の責任であると思われる。両側の芝が伸びて園路のラインが目立たなくなるともう少しよく見えるかもしれない。あと、舗装は土か砂利舗装が望ましいが、ここではおそらく土系舗装(セメントに土を混入した舗装)だろうと思われる。土系舗装は失敗している事例も多いので、これも施工には十分注意が必要である。

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天守閣に上がる園路。いかにもお城っぽい。

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丸岡城に来た人はわかると思うが、丸岡城はとにかく小さい。しかし小さいながらも天守閣の風格は感じる。

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中の様子。やはりせまい。初期の天守閣は、櫓の発展系であり、敵が来るのを監視する程度の役割しかなかったかもしれない。大学時代、先輩を連れてきたことがあるのだが、やはり「ちっちゃいなー」といわれた。この小ささが国宝に戻れない原因なのか。

丸岡は、一筆啓上賞(世界一短い手紙)で名を上げたが、このお城を用いてもっとユニークな取り組みができるとよいと思う。熊本城で名人戦(将棋)の対局が行われたが、丸岡城では福井アマチュア名人戦(そんな棋戦があるかは不明)の決勝戦でも天守閣でやると話題になると思う。