ROKUZAEMONの隠遁生活

まち歩きしながら感じたことを中心に書き留めています

梅田スカイビルの庭園

久しぶりに大阪に行く。遊びに来たわけではなく試験のためだが、それでも関西の空気を吸うと元気になるのー。

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大阪駅北口。これだけ見ていると自分の知っている大阪ではない。どんどん変わっていくのー。

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試験の前日に前乗りし、行きたいと思っていた梅田スカイビルに行く。空中庭園に登るためだが、実は誕生日に完成(竣工)したことを最近になって知ったので、これは縁起が良いということで合格祈願を兼ねて行くことにした。

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実はできた年(1993年)に登ったことがあり、記憶が正しければ1,500円取られたような気がしたのだが、今日は700円で入ることができた。このエレベーターから外の風景を眺めていたら、思わず悪酔いした(気分が悪くなった)のを覚えている。

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20年ぶりに登ってみると、案外高くないなというのが第一印象である。おそらく高層ビルが増えてきたからだろうと思う。特に西梅田・堂島界隈が大きく変わってきたような印象を受ける。昔のシンボルだった大阪マルビルがすっかり目立たなくなっているもんなー。梅田貨物ターミナルはもうじきなくなると思うが、こんなんだったかなー。もっと線路だらけだったような気もする。

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西梅田界隈の風景。なんだかんだ言っても大都市だよねー。

あと、試験受かってほしいのー。感触は微妙なので、結果を見るのが不安である・・相当勉強したんだけど、届いていないかもしれんのー。

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梅田スカイビルに来たのにはもう一つ理由があり、「中自然の森」「花野」が見たいと思ったこともある。大都会に里山というのが面白い。

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正面に現れるのが里山の重要な構成要素である棚田。

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田んぼの次は畑。田んぼも畑も人間の食糧というよりも、動植物のえさとして、卵の産卵場所として、主に生態系を考慮したものとなっている。当然無農薬栽培である。

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その周囲には、ワイルドフラワー(山野草)による花畑が広がっている。こういう風景は非常にセンスがいるんだよなー。一見無造作に見えるのだが、意外と植栽(蒔種)のブレンドが難しいと思う。花の咲く時期も春から秋までだろうし、花の色も白から黄色までいろいろ考えられているのだろう。普通の花壇とは異なり、寄せ植えではないのではないかと思うのだが。メンテも大変だと思う。

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竹林がビルにマッチしている。

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歩いていると中に喫茶店を発見。本日オープンしたばかりで、無料でアイスコーヒーをいただきました。こういうオープンカフェはロケーションもよく気持ちがいい。(暑いけど)

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庭園に欠かせないのがせせらぎ。

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石敷きの道が緑となじんで自然な風合いを創出している。日本庭園の手法である。歩きたくなる道になっている。

こういう空間のある無しは、都市の品格を形作るのに非常に重要だと思っており、大阪の格を上げるのに大きく寄与していると思う。

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もう一つ取り上げたいのが「中自然の森」である。こちらのほうがホテルの庭園らしい、非常に精緻な造りになっている。

規模は小さいながらもボリュームのある森が形成されているのがすごい。

庭園の手前に広がる水面から、

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水が滝のように流れ出し、水のカーテンを作り出している。

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中から見るとこんな感じ。特に夏は涼やかでよい。

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こちらは里山ならぬ山奥の沢を連想させるような修景となっている。特に日陰に生息する植物をうまくあしらっている。パッと見シダなども植えられている。もっともこちらはワイルドフラワーではなく、すべて細かく設計され植えられたものというのが特筆すべきかと思う。

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ホントはこんな庭が作りたいんだよなー。こういう設えは建築・土木にはまねできない。 

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こういう彫刻もさりげなく配置されており、庭園の回遊性を向上している。

六本木ヒルズの毛利庭園も優れた庭園だが、こちらの庭園のほうが落ち着いた雰囲気が出ており個人的には気に入っている。

 

ところで、梅田スカイビルといえば、最近とある新聞記事が掲載されており、非常に気になった。

6月18日読売新聞より

 積水ハウスは17日、本社のある梅田スカイビルなど高層ビルが立ち並ぶ「新梅田シティ」(大阪市北区)に高さ9メートル、長さ78メートルの緑の壁を作る計画を発表した。

 建築家の安藤忠雄さん(71)の発案で、「希望の壁」と名付ける。約50種類の草木を植えて四季折々の花を咲かせ、大阪の新たな名所にしたいとしている。

 壁は鉄製の骨組みで、両面にプランターを計900個並べ、ステンレス製のネットに草木を絡ませて緑で覆う。春にはツツジやフジ、冬にはサザンカやツバキなどが楽しめるという。総工費は約4億円で、9月末に完成する予定だ。4月に開業した「うめきたグランフロント大阪」の西側で、新梅田シティ内にある約8000平方メートルの「新・里山」と緑でつなげる。

 安藤さんは「世界に向けて大阪の美しさを発信できる」と述べ、積水ハウスの和田勇会長兼最高経営責任者(CEO)も「グランフロントとの相乗効果が期待できる」と語った。

これに対し、こういう記事も出ていた。

6月19日 毎日新聞より

梅田スカイビルなどがあるJR大阪駅北西の「新梅田シティ」(大阪市北区)の庭園を設計した造園家、吉村元男さん(75)が19日、積水ハウス(同区)に対し、同社が庭園内に設置する緑化壁「希望の壁」の工事中止を求める仮処分を大阪地裁に申請した。吉村さん側は「庭園全体で緻密に計算されたデザインを崩し、著作権を侵害する」と訴えている。

 申立書などによると、同シティは1993年にグランドオープンし、同社子会社が管理・運営する庭園(約2.64ヘクタール)には約1万5800本の樹木や水路などがある。一方、希望の壁は建築家の安藤忠雄さんが同社に提案したもので、高さ約9メートル、長さ約78メートル。庭園の北東側に設置され、プランター植えの低木や多年草などで壁を緑化する計画だ。9月下旬に完成予定で既に工事が始まっており、ベンチや街路樹、緑地帯が撤去されたという。

 吉村さんは、庭園は自身の思想を表現したもので、高度の創作性があり、著作権法上の著作物に当たると主張。壁が設置されると、東側が庭園から分断されるなどし、吉村さんの意に反する改変になると主張している。

 吉村さんは記者会見し、「設計理念が侵されている。自然を壊すもので、やめてもらいたい」と話した。同社広報部は「庭園は2007年に大幅にリニューアルした。吉村さんは権利主張する立場になく、いわれなき誹謗(ひぼう)中傷だ」としている。

若干の説明をすると、吉村元男氏は、ランドスケープの分野では非常に有名な人で、万博記念公園の設計など数多くの公園、庭園を手掛けている人である。面識はないが、氏の手掛けた庭園はいくつか見ており、ランドスケープの思想、センスともに卓越した人であると認識している。私から見てもすごいと思える人が提訴することは、安藤忠雄氏の構想に問題があると理解することも可能かと思う。

一方、安藤忠雄氏、この人は説明不要の有名人で、世界的な建築家であることは筆者も否定はしない。これはあくまで噂だが、氏が独立する前、放浪などいろいろ伝説のある人だが、一時期大阪の造園設計事務所に在籍していたというのを聞いたことがある。そういうことかどうかはともかく、安藤さんは建築家にしては非常に緑化に関心があると思っており、そのことについては非常に好感を持っている。但し、ここからが問題なのだが、ランドスケープデザインとして、氏の構想案がデザインとして調和するものなのかどうかは、正直できてみないとわからないし、建築のデザインのようにはうまくいかないのではないかと危惧を持っている。吉村元男氏のデザインが絶対だとも思わないが、どうせやるにしても、もう少しランドスケープの分かる人にデザインさせたほうが調和がとれるのではないかと思っている。

積水ハウスも、住宅メーカーなのだから、もう少しこの分野に造詣を持っていてもよいと思うのだが、話を聞いていると素人の発想だなーと思うのである。要するに、中自然の森のようなランドスケープは誰にでも真似のできる技ではないのだから、それだけの仕事をした人にもっと敬意を表してもよいのではないかというのが筆者の意見である。

と主張したくなるくらい、この庭は非常に出来がよいということである。それにしても9月にできるのか・・想像つかないのー。